毎日の食事で欠かせない箸。箸屋さんへ行くと、「大人用」「子供用」「納豆箸」「豆腐箸」「八角箸」「六角箸」…書き出すときりがありません。
このようにバラエティーがあるのは日本独特の文化なのだそうです。

私が愛用している箸は、竹製の極細です。この箸が実に繊細で、少しかじっただけですぐに折れてしまうのです。何度かこのようなことがありました。

ある日の食事で、例のごとく箸を折った私へ太い箸を用意してもらった時のことです。
信じられないことに、今食べていた料理の味が急に変わったのです。
箸先の細い箸は、つかんだ食材の感触が手に良く伝わり、料理を手の感触でも味わえます。
ところが、箸が太くなったことでその感触が伝わってこなくなってしまったのです。

今回の箸の一件で、食事という行為が五感をフルに活用しているのだとあらためて感じたのです。|S|